カラフルなグレーの短編日記

野生のアスペが人間社会で生きたくなったら

雪が降る場所

土曜日の夜の話。

 

雪が降ってきました。

 

車の通りも殆ど無い23時過ぎ。

山一つ分の桜吹雪を一気に散らしたような雪が舞って、歩道に薄っすら積もり始めた。

 

足を延ばして、徒歩10分のコンビニまで歩いた帰り、来た時に付けた足跡は消えて、誰かが二人で歩いた跡に変わっていた。

この足跡の一人が、突然消えたらホラーだな。揉めた痕跡があれば殺人事件か。

どちらの足跡も、同じくらいのサイズで、大きくも小さくもない。メンズ二人にも、男女にも見える。

コンビニを出た先の交差点から始まって、付かず離れず、重ならず、近い距離感を保ったまま続いている。

 

ほんの数分前に存在した人達の気配を感じながら、誰もいない夜中の雪道を一人で歩く。

三番目にこの道を歩く人は、複数人の足跡を見て、既に人が通った道だと認識するだけ。

似たような経験は、この環境で暮らす人には、より日常的で、身近なもの。

 

均一な面が雑多な景色を覆い隠す場所では、歩調を変えた時間を見付けやすい。